劇団わらび座

キャスト・スタッフ

キャスト

成田為三役、鈴木裕樹

文子/遠藤浩子  岡本・他/戎本みろ  おまつ・他/高田綾  倉田・他/内田勝之  井上・他/尾樽部和大 
正子・他/小林すず  ミツ/古関梓紀  憲生/渡辺真平  大里・他/長掛憲司  イネ・他/工藤純子 
車掌・他/片村仁彦  嘉江・他/菅愛美 

スタッフ

作・作詞・演出/鈴木 聡  音楽/八幡 茂  振付/ラッ キィ池田・彩木エリ  美術/石原 敬  照明/塚本 悟
衣裳/樋口 藍  小道 具/平野 忍  ヘアメイク/馮 啓孝  演出助手/栗城 宏  音楽助手/渡辺 信子
振付助手/安達 真理  舞台監督/浪形 未緒

作者プロフィールとメッセージ

鈴木 聡

1959年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、博報堂に入社、コピーライター として活躍。1983年サラリーマン新 劇喇叭屋(現ラッパ屋)を結成。演劇、映画、テレビドラマ、新作落語の脚本執筆など幅広く活 躍。主な作品/ミュージカル『阿国』(木の実ナナ主演)、松竹『寝坊な豆腐屋』(森光子・中村 勘三郎主演)、NHK連続ドラマ小説 『あすか』『瞳』など。ラッパ屋『あしたのニュース』、グループる・ばる『八百屋のお告げ』で 第41回紀伊國屋演劇賞個人賞、劇団青 年座『をんな善哉』で第15回鶴屋南北 戯曲賞を受賞

懐かしき秋田、モダンな東京、そして戦争の時代・・
為三さんが音楽とともに駆け抜ける!

♪~あした浜辺をさまよえば・・・あの美しく優しい「浜辺の歌」 と、
♪~秀麗無比なる鳥海山よ・・・あの堂々と力強い「秋田県民歌」 は、
同じ人 が作曲したのです。そう、成田為三さん。明治二十六年、北秋田市米内沢生まれ。師範学校時代に音楽と出会い、いったんは教師になったものの音楽の道をあきらめきれず東京の音楽学校へ。山田耕筰に師事し、鈴木三重吉と出会って「赤い鳥」の専属作曲家になり、さらにドイツに留学して音楽の道を究めようとします。
「秋田 の誇り!」「真摯で立派な人!」というイメージの為三さんですが、実は人間味あふれる人物だったようです。お酒が大好き。人見知りでちょっと頑固。好きな人に歌を贈ったり、ライバルの動向にやきもきしたり。親しみがあります。矛盾も抱えています。そこが面白い。「秋田県民歌」の理想に燃える力強さと「浜辺の歌」のガラス細工のような繊細さ、そのどちらもが為三さんの心にありました。
そんな 為三さんの心の旅を、想像を巡らせ、いきいきと笑いと涙たっぷりに描きたいと思います。数々の名曲を含め、素敵な歌と音楽が全篇を彩ります。懐かしき明治の秋田、モダンな大正・昭和の東京、そして戦争の時代を為三さんが音楽とともに駆け抜けます。ご期待ください!

スタッフプロフィールとメッセージ

作曲家 八幡茂

<プロフィール> ミュージカルを中心とした舞台音楽の他にテーマパークやイベントの音楽も数多く手掛けている。主な作品:『とってもゴースト』(音楽座)、『十二夜』(大地真央)、『ハウツゥデート』(鳳蘭、堺正章)、主な音楽監督作品:『ラカージュオフォール』『マイフェアレディ』『屋根の上のヴァイオリン弾き』(以上東宝)
<作品に寄せて> 僕が初めてわらび座を訪れた昨年の1月、そこは一面の銀世界でした。その美しい景色と成田為三のふるさとに対する想いを重ねて曲を書きました。為三のようにはいきませんが、そんな気持ちが少しでも皆様に伝われば幸いです。しかし「秋田県民歌」は本当に良い曲ですね。皆さんに広く歌われている理由がよく分かりました。志半ばの51才でこの世を去った為三ですが、世界中の人々に愛され続けている「浜辺の歌」そして秋田県民の心の支え続けている県民歌を残しました。まさに宝物です。同じ作曲家として羨ましい限りです。

振付家 ラッキィ池田、彩木エリ

<プロフィール>
●ラッキィ池田
独創的な発想で数多くのCM.TV.映画、舞台、ドラマ等の振付けを手掛ける。近年の振付ではアニメ妖怪ウォッチの「ようかい体操第一」と「ゲラゲラポーのうた」が子供たちに爆発的人気、また赤城乳業BLACKバーアイスCMの振付では2013ギャラクシー賞を受賞。広島カープCCダンスのほか教育テレビ「NHKいないいないばぁっ!」「NHKにほんごであそぼ」、をレギュラーで担当、吉本お笑いタレントの育成講師も務める。
●彩木エリ
中学校から器械体操を始める。高校ではインターハイ・国体に出場のちにプロのダンサーとして活躍。97年に振付師ラッキィ池田と結婚以来、夫婦共同制作であらゆるジャンルの振付を手がける。単独での振付は東宝ミュージカル福田雄一演出「タイトルオブショー」「デュエット」山本耕史主演「GOOD SPELL」テレビ朝日仮面ライダー、戦隊シリーズ、ベネッセこどもちゃれんじ教育ビデオなど。
<作品に寄せて> 「音楽って素晴らしい!」  「流行」とは文字通り流れていくもの。なので、流行には知らず知らず乗っかってしまうものだ。戦時中は多くの人が戦争に巻き込まれて行く。しかし「為三さん!」の成田為三は断固として音楽を道具にする事に異議を唱える芯の強い平和主義者だ。  僕の知っている芯の強い平和主義者は、何と言っても蛭子能収さんだ。デレデレしているように見えて、中身は高倉健さんのように「不器用ですから」という感じだ。描く漫画も決して受けをねらわないドロドロしたアングラだ。あるとき蛭子さんに原発推進のCMの依頼があったそうだ。「僕だったらホイホイ引き受けてくれると思ったんでしょうね。冗談じゃない。もちろん断りましたよ。」舞台の鈴木裕樹さんを見ているとだんだん蛭子さんに見えてくるのは僕だけでしょうか!

美術家 石原敬

<プロフィール> 1990年に渡米。1994年New York School of Visual ArtsのFine Arts学科を経て、Illustration/Commercial Arts学科を卒業。コマーシャルデザイナーとしての活動と並行して、2008年より舞台美術家としての活動を開始。1999年にAmerican Illustration広告部門特別賞を、また2011年度伊藤熹朔賞新人賞を受賞。参加舞台に『広い世界のほとりに』、『桜の園』(千葉哲也演出)、『赤色エレジー』、『わが友ヒットラー』、『三文オペラ』(ペーター・ゲスナー演出)、『中の人』、『カッコーの巣の上で』(14/河原雅彦演出)、『恋と音楽Ⅱ』(14/鈴木聡演出)など他多数。2012年 2014年『ミス・サイゴン』2013年 2015年の『レ・ミゼラブル』には装置助手とし手参加。
<作品に寄せて> 「この職業こそ自分の一生をかけるべき仕事だ」そう決断して舞台美術の世界へ飛び込んだのが30歳の時だった。舞台の事など何一つ知らないのに、ただただ現場に関わりたい一心で師である朝倉摂の門をたたいた。当時先生が芸術監督を務めていた「シアター1010」のスタッフとして雇ってもらい、業務の合間を見て一心不乱に舞台美術の勉強をした。 そんな時劇場に来たのがわらび座「銀河鉄道の夜」だった。朝倉先生の躍動感あふれるセットの中で踊る人々、息をのむ程美しい照明の中で歌うジョバンニ。コピーさせてもらった舞台セットの図面を片手にわらび座棟梁である宮本さんにあれこれ質問した。(多分宮本さんは覚えていないと思うが。)当時1ヶ月近いロングラン公演であったが、毎日毎日袖から舞台を観ていたのを覚えている。 あれから10年。まさかこうしてまた出会えるとは思ってもみなかった。宮本さんと、わらび座と一緒に作品を創れる日が来るとは。10年目の再会と初仕事。僕にとって特別な作品になる事は間違いなさそうだ。

照明家 塚本悟

<プロフィール> 1947年サハリン生まれ。日本大学芸術学部にて演劇を学び、1969年にアート・ステージング・グループ(A・S・G)に入社。吉井澄雄、沢田祐二両氏に師事し、舞台照明を学ぶ。1997年、照明家協会大賞・文部大臣奨励賞を受賞し、現在に至る。日本大学芸術学部非常勤講師、明治大学シェークスピアプロジェクトアドバイザー、都立総合芸術高等学校市民講師、ASG顧問。主な作品として「サウンドオブミュージック」「奇跡の人」「天守物語」「マドモアゼルモーツァルト」「王様と私」などをはじめ、わらび座作品も数多く手掛ける。
<作品に寄せて> わらび座の作品を観てきて、驚くのはこの界隈にはどんだけ偉人がいるんだ!と思うほど次から次に作品題材の偉人さんが出てくる! 今回の作品『為三さん!』の主人公・成田為三さんも秋田県出身の作曲家だという!記憶にはなかったけれど「浜辺の歌」はしっかりと脳裏に焼き付いているほどの名作。重ね重ね偉人さんの宝庫だと感じている。 劇中に出てくる「浜辺の歌」は元々平仮名の歌詞らしく解りにくい所もある。調べてみたら漢字にすると解り易いらしいとの事。 ♪朝(あした)浜辺を彷徨(さまよ)えば 昔の事ぞしの(偲)ばるる 風の音よ雲の様(さま)よ 寄する波も貝の色も  夕(ゆうべ)浜辺を廻(もとお)れば 昔の人ぞしの(偲)ばるる 寄する波よ返す波よ 月の色も星の影も♪ となると情景も情感もより深まる気がする。この歌だけで、もう一作品出来上がりそうな気にもなる。この先、どんな偉人さんが出て来るのか楽しみである!!

衣裳家 樋口藍

<プロフィール> 東京都出身。1990年、フランス・パリの国立劇場コメディフランセーズのアトリエで二年間の研修後、独立しフリーの衣裳家として様々なジャンルの舞台に携わっている。 わらび座との出会いは、2001年初演の「アテルイ」。その後、「よろけ養安」「火の鳥」「おもひでぽろぽろ」「遠野物語」「アトム」「げんない」などの作品に衣裳家として参加。
<作品に寄せて> 子どもの頃、「浜辺の歌」「赤い鳥小鳥」大好きで歌っていました。美しいメロディの中に、情景や色彩が視覚的に浮かんできて、まだ知らない世界への憧れを抱いた記憶があります。わらび座で、こんな素敵な『為三さん!』に出会えたことがとても嬉しいです。実は祖父と同じ名前なんです! 衣裳プランには、激動の時代の中での力強さ、生活感、そして軽快さ(リズムと色彩)を出せればと思っています。 ひとつの高みを目指して、スタッフ・キャストが一丸となって作り上げていく驚異的なエネルギーは、"わらび座の力"そのものであると感じています。

ヘアメイク 馮啓孝

<プロフィール> アトリエレオパード代表。1987年よりフリーのメイクアップアーティストとして、映画、舞台、テレビ、ミュージカル等幅広く活動。2000年渡米、特殊メイクの技術も習得し、メイクアップデザイナーとして活動の場を更に広げる。最近の作品として、『ファントム~オペラ座の怪人の真実』(2014赤坂ACTシアター)、オペラ『ナブッコ』(2013新国立劇場オペラパレス)『ええから加減』(2013シアタークリエ)等がある。また、2.5次元ミュージカルのキャラクターメイクの草分けでもあり、ミュージカル『テニスの王子様』『美少女戦士セーラームーン』等多くの作品も手がけている。
<作品に寄せて> 「えっ、誰?為三さんて。歴史上の人物ですか?聞いたことないなぁ~。ああ、浜辺の歌ですか?知ってる知ってる、中学生の時音楽の授業で歌ったもの。なんならコーラスもしたし。懐かしいなぁ。」と、全く知らないと思っていた為三さんが、昔からの知人の様に近くにやって来た。音楽にはすごい力がある!為三さんや文子さんが生きてきた時代を感じて、お芝居や音楽を楽しめるように、人物の輪郭、雰囲気をヘアスタイルやメイクと通して作っていけたらと思います。 わらび座さんに来たのは『遠野物語』以来です。場所が楽しく、人が楽しく、仕事といいながら心の静養もできます。新しい出会いに感謝しつつ、がんばりまーす!

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