劇団わらび座

あらすじ

ものがたり

時は江戸時代の中頃、場所は江戸両国の見世物小屋。  
高松・志度浦が生んだ稀代の天才・平賀源内は世界でも珍しい電気発生器エレキテルを完成させたものの、生み出す火花は何の役にも立たず、書生の吉次郎(後の司馬江漢)、弟子の絵師・小田野直武(秋田でスカウトしてきた)らとともに、エレキテルショウを始めて稼ぐことにした。  
かつて源内の語った夢に導かれて「解体新書」翻訳の偉業を成し遂げた蘭学者・杉田玄白は馬鹿げた見世物をやめるように説得するが、未だ見果てぬ夢を追う源内の耳には届かない。  
そんな見世物小屋に、吉原に売られた娘・お千世が逃げ込んでくる。吉次郎たちの自由奔放な生き様に触れ、やがて自分も夢を見始める。
だが時は江戸時代。庶民が夢見ることを許される時代ではなかった・・・。

平賀源内

現香川県さぬき市志度の生まれ。江戸中期の博物学者・作家・画家・陶芸家・発明家で、あらゆる分野に才能を発揮した。安永2年(1773年)には秋田藩の佐竹義敦に招かれて院内銀山、阿仁銀山などで産銅から銀絞りを指導したり、沼館山で亜鉛の精錬を試みる。また秋田藩士小田野直武や藩主佐竹曙山に蘭画の技法を伝える。

小田野直武

現秋田県仙北市角館町の生まれ。1773年、平賀源内が鉱山開発の指導のため秋田藩を訪れた際、直武に出会う。江戸で源内から西洋画の手ほどきを受け、『解体新書』の附図を描く。直武は司馬江漢などにも影響を与えたといわれる。

トップへ